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耐震診断・耐震補強の費用はいくら?相場・補助金・見積比較

編集責任者: 松田 怜央 公的機関・各社公式の一次資料と照合して編集しています

家庭で防災用品の量を確認する家族

木造住宅の耐震補強費用は、診断で弱点を特定しないと決まりません。公的な目安では、一般的な耐震診断が10〜20万円、標準的な耐震改修が150〜200万円です。国土交通省は、築50年・2階建て・延べ面積約100㎡の木造住宅を約224万円で改修するモデルケースも示しています。

ただし、築年数だけで「うちは200万円」と決めることはできません。基礎、壁、接合部、屋根、劣化、内外装の復旧範囲で総額が変わるため、正しい順番は次のとおりです。

  1. 建築年と図面を確認する
  2. 自治体の補助制度を契約前に確認する
  3. 耐震診断で必要な補強範囲を決める
  4. 同じ診断結果で複数社の見積を比べる

この記事では、費用相場、1981年・2000年を基準にした診断の優先度、補助金、見積書の比べ方を整理します。

耐震補強費用の目安は150〜200万円、診断は10〜20万円

木造住宅の耐震診断と耐震改修費用の公的な目安
費用は建物の古さ・大きさ・構造・工法で変わるため、診断後の見積が必要です

公的機関が示す木造住宅1棟あたりの目安は次のとおりです。

項目公的な費用目安前提
一般的な耐震診断10〜20万円東京都。建築時の設計図がある場合。形状・築年数で変動
標準的な耐震改修150〜200万円東京都。在来工法、補強前評点0.5程度から補強後1.0程度
築50年の改修モデル約224万円国交省。2階建て、延べ面積約100㎡の木造住宅

出典は東京都耐震ポータル「戸建住宅の耐震診断」同「戸建住宅の耐震改修工事」国土交通省「補助金・支援制度について」です。

この金額は全国一律の定価ではありません。たとえば壁の補強だけで済む住宅と、無筋基礎の補修、重い屋根の軽量化、腐朽部分の交換まで必要な住宅では工事項目が違います。さらに、壁を開けたあとの内装復旧、住みながらの養生、家具移動なども総額に影響します。

高橋(一人暮らし)「150万円以上かかるなら、診断を飛ばして安い補強工事だけ頼みたくなります。」

佐藤(上司)「診断を飛ばすと、効く場所ではなく施工しやすい場所だけを直す恐れがあるよ。補助対象や補強後の評価にも関わるから、最初の10〜20万円を省くより、自治体の診断補助を先に探そう。」

工事の前に耐震診断が必要な住宅

建築年確認、自治体相談、専門家の耐震診断の順番
1981年以前を優先し、2000年以前の木造住宅も接合部などを確認します

優先して耐震診断を検討したいのは、1981年5月31日以前に建築された旧耐震基準の住宅です。図面や確認済証で建築時期を確認してください。

また、1981年以降ならすべて安心とは限りません。国土交通省は熊本地震の被害を踏まえ、接合部などの仕様が明確化された2000年以前の木造住宅を中心に耐震性能の確認を推奨しています。該当する木造住宅で、大きな吹き抜け、壁の少ない1階、重い瓦屋根、増改築、傾きや雨漏りがある場合は、専門家へ相談する理由が増えます。

国交省の説明は「新耐震基準の木造住宅の耐震性能検証法」で確認できます。

診断前に揃えるとよい資料は、建築確認関係書類、平面図、増改築履歴、雨漏り・シロアリ修繕の記録です。図面がなくても相談できますが、現地調査の範囲や費用が増える可能性があります。

耐震リフォーム費用が変わる6つの要因

耐震補強費用を左右する建物側と工事側の条件
坪単価だけでなく、診断結果・補強目標・復旧範囲をそろえて比較します
  1. 基礎の状態:無筋基礎、ひび割れ、不同沈下があるか
  2. 壁の量と配置:壁が少ない、1階と2階の位置がずれている、開口部が大きいか
  3. 柱・梁・接合部:金物補強の範囲、腐朽・シロアリ被害があるか
  4. 屋根の重さ:瓦から軽い屋根材へ変更するか
  5. 補強後の目標:どの評点・耐震性能を目指す設計か
  6. 仕上げの復旧:壁・床・外壁をどこまで元に戻すか、他のリフォームを同時に行うか

「築40年だから100万円」「坪数×単価」といった概算は初期予算には使えても、契約判断には不十分です。見積書では、耐震補強そのもの、解体・復旧、劣化修繕、設備移設、仮設・諸経費を分けてもらうと、他社比較と予算調整がしやすくなります。

耐震以外のキッチン・浴室・断熱改修も同時に行う場合は、耐震工事単体の金額が分かるように分離してください。補助金や税制の証明でも工事項目の切り分けが重要になります。

耐震補強の補助金は契約前に自治体へ確認する

自治体の対象確認、契約前申請、証明書保管の順番
補助制度は、対象確認と申請を契約・着工より先に行うのが基本です

住宅の耐震診断・設計・改修には、国と地方公共団体が協力する支援制度があります。ただし、実際の受付窓口、補助額、対象となる建築年・構造、登録事業者の要件は市区町村ごとに異なります。

特に注意したいのは申請時期です。交付決定前の契約や着工を補助対象外とする制度があります。施工会社を先に決めるのではなく、自治体の建築・住宅・耐震担当窓口へ次の順番で確認します。

  1. 自宅が耐震診断・改修補助の対象か
  2. 診断、補強設計、工事のどこまで補助されるか
  3. 登録診断士・登録事業者の指定があるか
  4. 契約・着工してよい時点はいつか
  5. 完了報告と支払いに必要な書類は何か

住宅耐震改修の税額控除もありますが、適用期間・住宅要件・証明書は税制改正で変わり得ます。工事年の最新条件を国土交通省「令和8年度税制改正概要」で確認し、税務署や税理士へ相談してください。

耐震補強の見積比較で確認する7項目

診断結果、工事項目、補強後の性能で耐震改修見積を比較する流れ
総額だけでなく、同じ弱点に対して何を直し、補強後にどう評価するかを比べます

複数社へ依頼するときは、同じ耐震診断書と希望条件を渡し、次の7項目をそろえます。

  1. 診断方法、現状の上部構造評点、弱点の説明
  2. 補強後に目指す評点・性能と、その計算根拠
  3. 壁・基礎・接合部・屋根ごとの工法、数量、単価
  4. 解体、内外装の復旧、廃材処分、仮設、諸経費
  5. 追加工事が発生する条件と、発生時の承認手順
  6. 設計者・施工者・工事監理者の役割と資格
  7. 工期、保証、完了後の報告書・写真・証明書

最安値の見積が悪いとは限りませんが、補強箇所や復旧範囲が少ないために安い可能性があります。逆に高額な見積には、耐震と直接関係しない設備・内装リフォームが含まれる場合があります。総額の上下ではなく、同じ診断結果に対して工事範囲と補強後の性能が同等かを確認してください。

提携前の相談ニーズ調査 耐震診断・補強の相談先を探している方へ 建築年、地域、診断・見積の状況を送ると、編集部が「自治体へ先に聞くこと」と「見積でそろえる項目」を整理して返信します。現時点で施工会社へ個人情報を渡すことはありません。 耐震補強の進め方を相談する 無料・営業電話なし。クリックを需要指標として集計し、相談先との提携判断に使います。

地震への備えは、工事だけで完結しません。工事まで時間がかかる間は家具固定・寝室の安全確保・感震ブレーカーを進め、生活再建資金については地震保険が必要かの判断基準を確認してください。発生情報を見て不安になった方は、南海トラフ地震の発生確率の読み方から、予測と対策を分けて整理できます。

よくある質問

耐震改修を検討しやすい条件と建て替えも比較する条件
耐震性能だけでなく劣化状況、将来の住み方、総費用で改修と建て替えを比べます

築40年・築50年の木造住宅は必ず耐震補強が必要ですか?

築年だけでは決まりませんが、築40年なら1981年前後、築50年なら旧耐震基準に該当する可能性が高いため、建築時期を確認して耐震診断を優先します。増改築や劣化の状態も診断結果に影響します。

100万円以下で耐震補強できますか?

弱点が限定され、部分的な補強で目標性能に届く住宅なら可能性はあります。ただし、予算に合わせて必要な補強を削り、目標性能に届かない工事を行うのは本末転倒です。診断結果、補強後の評価、補助金適用後の自己負担額で判断します。

耐震補強と建て替えはどちらが得ですか?

基礎や構造を活用でき、今の間取り・立地を残したい場合は改修を検討しやすくなります。傾きや劣化が広範囲で、断熱・配管・間取りも全面更新したい場合は建て替えも同じ期間・総費用で比較します。

耐震診断はどこへ頼めばよいですか?

最初に市区町村の耐震担当窓口へ相談します。補助対象になる診断士・事務所が指定されている場合があります。訪問営業だけで決めず、登録・資格、診断方法、報告書の内容を確認してください。