避難の心得高潮編

高潮編

高潮とは

  • 高潮は、海面水位(潮位)が上昇する現象です。高潮が発生し、一度浸水が生じると低地における浸水被害が急速に広まることになります。
    過去に発生した高潮では、様々な被害が報告されています。平成11年の台風18号接近の時に発生した高潮では、最高潮位4.5mが記録されました。昭和34年伊勢湾台風では、伊勢湾周辺地域、とりわけ湾奥部の名古屋市を中心とする臨海低平地を中心に死者・行方不明者5,098人、全壊または半壊した住家が15万戸以上と甚大な被害が発生しました。

  • 高潮とは

このようなところでは特に注意しましょう

高潮時の危険な場所

以下のようなところでは、特に高潮に気を付ける必要があります。ハザードマップの確認が大切ですが、ハザードマップで危険と記載されていなくても、避難意識を持っておくことが重要です。
●海岸付近の低地
海面は満潮時に高くなります。満潮時の高さよりも標高が低いところでは、堤防が決壊すると水が流れてきて浸水被害を受ける恐れがあります。このような場所に住んでいる人は、日ごろから避難ルートを考えておく必要があります。
●湾奥部や河口部
湾の長さが長く、湾の水深が浅いほど、湾や河口部の奥まで風などによって運ばれてきた海水が吹き寄せられて、海水面が大きく上昇します。また湾では、吹き寄せてきた海水がその反動で湾の反対側へと押し寄せることがあるので注意が必要です。
●遠浅な海底地形
強風が海岸に向かって吹き続けると、海岸へ押し寄せる海水の量が多くなります。湾状ではなく直線的な海岸であっても、遠浅な海底地形であれば海水の戻りが妨げられ、吹き寄せの量が大きくなるので高い高潮が発生します。
●V字谷
急に奥が狭まっている地形では、押し寄せた波が一ヵ所に集中し、一気に波が高くなります。そのため、急に波が迫ってくることがあるので、一層の注意が必要です。

いつ避難すればいい?

高潮に限らず各種の災害から身を守るためには、公的機関からの避難情報を聞いたらすぐに動くことが大切です。また、それだけでなく、自らの判断によってより早めに避難することで安全性を高めることになります。
●避難勧告・避難指示には早めの対応を
市町村それぞれの判断で避難の情報が流れます。避難情報は、テレビやインターネット、更にはメールやアプリなど、様々な手段で配信されます。このような情報を聞いた時には、早く避難しましょう。避難指示や避難勧告が出るときは、「すでに危険な状態になっている」ということです。まだ大丈夫、とは思わずに行動するようにしましょう。
高潮は台風の最接近時に潮位が高くなります。台風接近時は、屋外は暴風雨の状況になっているおそれがありますので、避難所への移動が極めて危険であることが考えられます。台風が最接近する前日や半日前からの行動が必要になります。

高潮に関する気象情報と避難情報

避難時のポイントは、『情報と落ち着き』&『高いところと丈夫な建物』

  • 正しい情報を入手することは非常に大切です。防災情報は、テレビやアプリ、メールなどで配信されます。避難情報を入手したら慌てずに行動しましょう。あらかじめリュックサックに水や食料などを入れて備蓄しておくことが大切です。懐中電灯も必ず準備しておきましょう。高潮が発生するのが夜間になることもあります。救助の方々に向けて自分の位置を知らせるためにも懐中電灯は必須です。
    自宅外の避難所に避難するというだけでなく、高いところに避難することも考えなければなりません。既に水が迫ってきている状況では高いところに避難することを優先することもあります。避難時には、近所の方々との連携も必要です。一人では慌ててしまうことも、お互いで助け合いながらだと、スムーズに避難できることもあります。
    外に避難するときには、車での避難はやめましょう。浸水しているところでは、ドアが開きにくくなったり、ブレーキが効きにくくなったりするおそれがあります。潮位がさらに上昇したら車ごと流されることもあります。外に逃げるときには歩いて避難しましょう。冠水している道路を歩くことは危険ですのでやめましょう。

●気づいたときに高潮が迫っていたら
高潮が発生する時間帯は夜になることもあります。寝ている間に高潮に遭遇しても慌てずに行動しましょう。避難のポイントは『高いところ』『丈夫な建物』です。高潮に対して安全なのは、できるだけ高いところです。3階建ての家なら、1階よりも2階、2階よりも3階に避難するようにしましょう。また、鉄筋構造のマンションなどに住んでいる人は、3階以上の高い階に避難してもいいでしょう。すでに高いところにいる人は、無理して避難所に行くのではなく、その場で待機することも大切です。高潮の発生時には上の階にきちんと備蓄しておくことも、避難した後の生活を考えると大切です。海岸近くに住んでいる人は、高潮の影響をより強く受けるのでなるべく離れておくことが必要となります。海岸から離れた屋外にいる人も、より高いところに移動するようにしましょう。

高潮のメカニズム ~吸い上げ効果と吹き寄せ効果~

高潮とは、台風や発達した低気圧などに伴い発生する現象です。高潮が発生するときの仕組みは“吸い上げ効果”と“吹き寄せ効果”の2つがあります。
<吸い上げ効果>
台風や発達した低気圧が接近し、短時間のうちに急激に潮位が上昇します。これを“吸い上げ効果”といいます。ストローで息を吸うと水を吸い上げられるように、気圧が下がると海面が吸い上げられて潮位が上昇します。ちなみに海面上昇の目安は気圧が100ヘクトパスカル下がると1mの上昇です。
<吹き寄せ効果>
台風などで、強い風が海側から陸側へと吹いたとき、海水は風によって海岸の方へと吹き寄せられます。これにより、海岸付近の潮位の上昇が発生します。これを“吹き寄せ効果”といいます。この吹き寄せ効果は、風が強いほど大きくなり、風速が2倍になると吹き寄せ効果は4倍にもなります。さらに、湾の奥部などの地形によっては、奥に行くほど幅が狭くなり、その結果さらに海水面の上昇がみられることもあるので、このような地形では特に注意が必要です。

高潮・波浪・津波はどう違うの?

高潮・波浪・津波はどう違うの?

高潮、波浪、津波の違いは、その規模や発生原因によるものです。
高潮は、台風などが接近して気圧降下することで生じる“海面の吸い上げ効果”と“風による海水の吹き寄せ効果”のため、海面が異常に上昇する現象を指します。
波浪は、風によって海面付近で生じる波動の現象で、波長は数m~数百m、周期が1~30秒程度のものを指します。成因は風浪とうねりです。
津波は、地震によって海底地形が変形し、それによって海面が持ち上げられたり押し下げられたりして生じた海面変動が波として四方に広がることで発生します。津波の波は、波長が数km以上であり、勢いがなかなか衰えず、内陸では海岸での潮位よりも高いところにまで津波がかけ上がる(遡上する)ことがあります。

※上記の心得は「トクする!防災」プロジェクトチームの見解に依ります。自治体から避難指示や避難勧告が出された場合は指示に従い速やかに避難しましょう。

避難の心得


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