防災グッズは、まず1セットで土台を作り、足りない分と量を足すのがいちばん挫折しません。
ゼロから15点を1個ずつ探すと、何を買えばいいか迷って止まりがちです。中身の公開されている防災セットを先に置き、この記事の15点チェックリストで穴を埋め、水・食料・携帯トイレの量を家族人数で上乗せする——この順番が実務的です。
セットだけでは足りないものもあります(薬、眼鏡、乳幼児用品、ペット用品など)。だから「セットで終わり」ではなく、セットで始め、リストで整えると考えてください。
家族人数を入れて必要量だけ先に確認したい方は、無料の水・食事・携帯トイレ計算を利用できます。
- 必需品の多くを一度にカバーできる。中身リストを見てから足し引きできる
- 水・食料・携帯トイレの「人数分×日数」は、セットのあとで計算して買い足す
- 詳しい選び方は[防災セットのおすすめの選び方](/blog/bosai-set-osusume/)も参照
最初に確認する数字(セットのあとで人数分を足す)
- 飲料水:1人1日3L × 7日(4人なら84L)
- 携帯トイレ:1日5〜6回 × 人数 × 7日(4人なら140〜168回分)
- 食料:最低3日、できれば普段食べる食品を1週間分
全部を重いリュックへ詰めず、使う場面で分けます。
高橋(一人暮らし)「セットを1個買えば、もう十分じゃないんですか?15点リストまで要ります?」
佐藤(上司)「スタートはセットでいい。ただし水1週間分は入っていないことが多い。セットで土台を置いたあと、この15点で穴を見て、人数分の量を足そう。」
防災グッズは最低限、何をそろえればいいですか?
まずそろえたいのは、次の15点です。政府や多くの自治体の防災情報で共通して挙げられている基本の品目で、「命を守る」「生活を維持する」「情報と貴重品を確保する」という3つの役割をカバーできます。
| 分類 | 品目 | 目安・ポイント |
|---|---|---|
| 水・食料 | 1. 飲料水 | 1人1日3Lが目安。持ち出し袋は重くしすぎず、残りは自宅へ |
| 水・食料 | 2. 非常食 | 調理せずそのまま食べられるものを中心に最低3日分 |
| 明かり・電源 | 3. 懐中電灯・ヘッドライト | 両手が空くヘッドライト型が便利。予備の乾電池も一緒に |
| 明かり・電源 | 4. モバイルバッテリー | スマートフォンの充電用。乾電池式も併用すると安心です。数日単位の停電に備えるならポータブル電源の容量計算も検討を |
| 情報 | 5. 携帯ラジオ | 停電時の情報源。手回し充電式なら電池切れにも対応できます |
| 命を守る | 6. ホイッスル | 閉じ込められたときに居場所を知らせるために。枕元にも |
| 衛生 | 7. 携帯トイレ | 1日5〜6回×人数×7日で計算。凝固剤、袋、手袋も確認 |
| 衛生 | 8. ウェットティッシュ・除菌シート | 断水時に手や体を清潔に保つために |
| 衛生 | 9. マスク | 感染症対策と粉じん対策を兼ねます |
| 衛生 | 10. 救急セット・常備薬 | 絆創膏や消毒液に加え、持病の薬とお薬手帳のコピー |
| 生活用品 | 11. 軍手・手袋 | 割れたガラスやがれきから手を守ります |
| 生活用品 | 12. レインウェア・防寒具 | 雨具はポンチョ型が着脱しやすく、アルミブランケットは軽くて有用 |
| 生活用品 | 13. ラップ・ポリ袋 | 食器の代用、防水、ごみ処理など用途が広い万能品 |
| 貴重品 | 14. 現金(小銭を多めに) | 停電時はキャッシュレス決済が使えない場合があります |
| 貴重品 | 15. 身分証・保険証などのコピー | 避難先での手続きや再発行の備えに |
この15点は「完成形のチェックリスト」です。全部をバラで買う必要はありません。市販の防災セットで埋まる項目が多いので、セットを置いたうえで表を見て、欠けているもの・人数分の量・家庭だけの追加品を足すのが最短です。家にすでにあるレトルトや雨具も、そのまま数え入れて構いません。
高橋(一人暮らし)「一人暮らしなんですけど、この15点、正直全部いります?置き場所もないし面倒なんですが。」
佐藤(上司)「量は1人分に絞っていいけど、種類を削るのはおすすめしない。水・トイレ・ライトはどんな世帯でも欠かせない役割を持っている。1人分に量を減らせば、持ち出し袋1つに十分収まるよ。」
持ち出し袋と在宅備蓄はどう分けますか?
避難中に使う最小限だけを持ち出し袋へ入れ、重い水・食料・衛生用品は自宅へ分散備蓄します。
| 持ち出し袋へ | 自宅備蓄へ | 両方へ |
|---|---|---|
| 身分証控え、現金、ホイッスル、救急品、雨具 | 1週間分の水・食料、携帯トイレ、カセットコンロ、衛生用品 | ライト、電源、薬、少量の水・食料 |
持ち出し袋は「入るか」ではなく「背負って階段を歩けるか」で判断します。家族全員を同じ重さにせず、子ども、高齢者、持病がある人の荷物を分担してください。
防災グッズはどの順番で買えばよいですか?
まずは防災セットで土台を作り、そのあと量と家庭別の追加へ進みます。
| 段階 | やること | 完了条件 |
|---|---|---|
| 今日〜今週 | 防災セットを1つ置く(または家にある物を袋に集める) | ライト・水・食料・トイレの「種類」が手元にある |
| その直後 | 上の15点表で欠けをチェック | セットに無い薬・眼鏡・身分証控えなどを足した |
| 今月 | 水・食料・携帯トイレを人数×日数で増量 | 最低3日、できれば1週間分になった |
| 余裕が出てから | 家族別用品、分散保管、必要なら電源 | 在宅避難が続く想定に合っている |
セットは「全部入り」ではなく出発点です。薬、眼鏡、乳幼児用品、ペット用品までは家庭ごとに追加が必要です。中身の見方と1人用・家族用の違いは防災セットのおすすめの選び方にまとめています。
予算をかける前に家の中も確認してください。普段のレトルト食品、ポリ袋、ラップ、雨具などは、すでに使える物が多くあります。
停電が数日単位に延びそうな場合は、セットと水・食料のあとに電源を検討します。冷蔵庫や医療機器まで支えたい家庭は、用途別・容量別のポータブル電源おすすめ比較で容量帯を確認してください。
備蓄食料の1週間分リストは?(1人分の目安量)
大人1人×1週間なら、水約24L・主食21食分・主菜21食分・カセットボンベ約6本が目安です。 農林水産省の「災害時に備えた食品ストックガイド」の考え方をもとに、1人分に換算したリストが次のとおりです。家族の場合は人数分を掛けてください。
| 分類 | 品目例 | 1人×1週間の目安 |
|---|---|---|
| 水 | 飲料水(2Lペットボトル) | 約24L(飲用+調理用。2L×12本) |
| 主食 | 米、パックご飯、乾麺(パスタ・そうめん)、カップ麺 | 計21食分(例:米2kg+パックご飯・麺類で補完) |
| 主菜 | 缶詰(さば・ツナ・焼き鳥)、レトルト(カレー・牛丼・パスタソース) | 計21食分(例:缶詰9缶+レトルト12袋) |
| 副菜・汁物 | 即席みそ汁・スープ、乾物(わかめ・切干大根)、野菜ジュース、果物缶 | 1日1〜2食分×7日 |
| 熱源 | カセットコンロ+ボンベ | ボンベ約6本(1人1週間) |
| その他 | 栄養補助食品、チョコ・ビスケットなどの菓子 | 好みに合わせて適量 |
ポイントは3つあります。
- 「非常食」を特別に買い込まず、普段食べる食品を多めに持つ(ローリングストック)方が、費用も無駄も少なくなります
- 停電を想定し、調理不要でそのまま食べられるものを最初の3日分に多めに配分します
- 一人暮らしの場合も同じ表で1人分をそろえれば十分です。置き場所が限られるなら、ベッド下・クローゼット・キッチンに分散させます
自分の家族構成での必要量は無料の備蓄量計算ツールで自動計算できます。
セットのあとに量を足すときの近道は2つです。主食は「家族の誰が食べても大丈夫」を1ブランドで済ませられる28品目不使用の安心米(アルファー食品公式)
から。携帯トイレなど日常でも使える防災用品はフェーズフリー防災ブランド スツーレ(公式)
でまとめられます。
なぜこの15点が必要なのですか?
大きな災害では「ライフラインの停止」と「支援が届くまでの空白期間」が同時に起こり得るためです。電気・水道・ガスが止まり、道路の寸断で物流も滞ると、しばらくは手元にあるものだけで過ごすことになります。政府の一般的な指針でも、最低3日分、できれば1週間分の水・食料の備蓄が推奨されています。
15点の役割を整理すると次のとおりです。
- 命と健康を守るもの: 飲料水・非常食・救急セット・常備薬・ホイッスル・マスク。水分と食事、けがや持病への対応は最優先です。
- 生活を維持するもの: 携帯トイレ・ウェットティッシュ・ラップ・ポリ袋・軍手・レインウェア。断水時のトイレと衛生の問題は、想像以上に生活の質を左右します。
- 情報と行動を支えるもの: ライト・ラジオ・モバイルバッテリー。停電した夜間の移動や、正確な情報の入手に欠かせません。
- 手続きと買い物に備えるもの: 現金・身分証のコピー。停電時や避難先での「困った」を減らします。
また、自宅が無事な場合は避難所へ行かずに自宅で生活を続ける「在宅避難」が選択肢になります。その場合もライフラインは止まっている可能性があるため、この15点はそのまま在宅避難の支えになります。避難する・しないにかかわらず役立つ品目だからこそ、最初にそろえる価値があるのです。
家族構成によって何を追加すればいいですか?
基本の15点に、「その家庭でしか使わないもの」を足していきます。乳幼児・高齢者・ペットの有無で必要な物が大きく変わるため、家族の顔を思い浮かべながらチェックしてください。
優先順位は迷わなくて大丈夫です。粉ミルクやおむつのような「その人でしか使わない物」から埋めてください。 代替がきかないものほど、災害時に手に入りません。
乳幼児がいる家庭
- 粉ミルクまたは液体ミルク、哺乳瓶(使い捨てタイプも便利)
- 離乳食・子ども用のおやつ
- 紙おむつ・おしりふき
- 抱っこひも、子ども用の着替え
- 母子健康手帳のコピー
高齢者がいる家庭
- 常用薬とお薬手帳のコピー
- 入れ歯と洗浄剤、補聴器と予備電池
- 老眼鏡
- 大人用紙パンツなどの介護用品
- 杖などの歩行補助具
ペットがいる家庭
- ペットフードと水(家族と同様に数日分)
- リード・キャリーケース
- ペットシーツなどの排泄用品
- 鑑札の控えや写真(迷子対策)
なお、避難所でのペットの受け入れルールは自治体ごとに異なります。お住まいの自治体の情報を事前に確認しておきましょう。
女性・アレルギー・医療的ケアが必要な人
- 生理用品、下着、目隠し用ポンチョ
- アレルギー対応食と、原因食品を書いたカード
- 予備の眼鏡、コンタクト用品
- 医療機器の予備電源と充電手段。在宅医療機器がある場合はポータブル電源は必要か(要否判断)を参考にしつつ、蓄電池だけに頼らず主治医・機器メーカーにも必ず確認してください
- 支援時に伝える必要事項をまとめた紙
一般的なセットより、毎日なくなると困る物を優先してください。
防災グッズはどこに置き、どのくらいの頻度で点検すればいいですか?
持ち出し用は玄関や寝室などすぐ手に取れる場所に、備蓄品は1カ所にまとめず分散して保管するのが基本です。点検は年2回、日付を決めて行うと忘れにくくなります。
- 置き場所: 持ち出し袋は玄関・寝室など避難経路上に。押し入れの奥など、取り出しに時間がかかる場所は避けます。
- 分散保管: 自宅の複数の部屋や車などに分けておくと、家具の転倒や浸水で1カ所が使えなくなっても取り出せる可能性が高まります。
- 点検頻度: 年2回が目安です。例えば9月1日(防災の日)と3月など、覚えやすい日を決めて、食品と水の期限、電池の残量、薬の内容、子ども用品のサイズを確認しましょう。
点検は家族と一緒に行うのがおすすめです。どこに何があるかを全員が知っていれば、自分が不在のときでも家族だけで対応できます。点検のついでに、避難場所や連絡方法の確認まで済ませておくと、備えの実効性がさらに高まります。
セットと15点の土台ができたあとに検討したいのが、停電が長引いた場合の電源です。モバイルバッテリーでは足りない冷蔵庫や医療機器まで支えたい方への候補が以下です。
- セットと水・食料のあとに検討する一手。乾電池では届かない範囲を電気でカバーする
- 定格1,500Wで冷蔵庫や情報機器まで一定期間まかなえる
- 同容量帯の比較は6ブランド比較表で。表示価格はセールで動くので公式ストアで確認
順番は守ってください。 セットも水・食料も無い段階なら、電源より先にそちらです。電源が効いてくるのは、水・食料・トイレ・明かりが揃ったうえで「停電が数日続いたら」を考え始めたときです。
そのうえで1つだけ。2024年8月に南海トラフ地震臨時情報が出た際、水・非常食とともにポータブル電源が店頭とECから一時的に消えました。防災用品は必要だと痛感した瞬間には買えなくなります。 平常時のうちに、セットで土台を置いておくのがいちばん確実です。
よくある質問
防災セットを買うのと自分でそろえるのは、どちらがいいですか?
迷ったら、まずセットで始めてください。 手軽に土台ができます。自分でそろえると家庭の事情に合わせやすい反面、何から買うかで止まりやすいです。セットを置いたあとに本記事の15点で欠けを確認し、家族構成別の追加品と人数分の量を足すのが現実的です。
水と食料は何日分備えればいいですか?
内閣府の案内では、最低3日分、できれば1週間分が目安です。飲料水は1人1日3Lなので、人数×3L×日数で計算します。
食品の賞味期限切れを防ぐにはどうすればいいですか?
「ローリングストック」がおすすめです。普段の食品を少し多めに買い、食べたら買い足すことで、常に一定量の備蓄を無理なく維持できます。
車にも防災グッズを置いたほうがいいですか?
置いておくと外出時の備えになります。ただし夏場の車内は高温になるため、食品や電池類は劣化しやすい点に注意し、点検の頻度を上げましょう。
一人暮らしでも15点すべて必要ですか?
基本の考え方は同じで、量を1人分に調整すれば十分です。持ち出し袋1つにまとめておくと、いざというとき迷わず行動できます。