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防災用ポータブル電源の選び方|必要容量の計算と主要6ブランド比較【2026年】

編集責任者: 松田 怜央

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家庭で防災用品の量を確認する家族

防災用のポータブル電源は、人気ランキングから選ばない方がうまくいきます。

「停電中に何を、何時間、何日動かすか」を先に決め、必要な容量(Wh)を計算してから選ぶのが正解です。

同じ「防災用」でも、中身で必要量は大きく変わります。

  • スマホと照明だけ → 500Wh前後で足りることがある
  • 夏の在宅避難で扇風機・冷蔵庫まで → 1,000〜2,000Wh級
  • 価格は数万円から10万円以上まで

この記事では、必要かどうかの判断、容量の計算、選び方の7項目、主要6ブランドの比較の順で書きます。掲載価格はすべて2026年7月28日時点の各社公式ストアの表示です。

ポータブル電源は防災に必要ですか?

全員に必要なわけではありません。分かれ目は「停電が数日続いたとき、電気がないと困るものがあるか」です。

2018年の北海道胆振東部地震では、道内全域の約295万戸が停電する、国内初の大規模ブラックアウトが起きました(経済産業省の検証委員会資料による)。2019年の台風15号では千葉県を中心に大規模停電が発生し、完全復旧までおよそ2週間かかった地域もあります。

数時間の停電ならモバイルバッテリーで足ります。数日単位の停電では、「情報・照明・暑さ寒さ対策」の電力をどう確保するかが課題になります。

優先度が高い人 ・夏や冬に在宅避難を想定している(熱中症・低体温症対策に扇風機や電気毛布が要る)
・在宅勤務で通信が途切れると仕事に影響する
・冷蔵保存が必要な薬や食材がある
・乳幼児がいる(ミルクの調乳・湯せん)
急がなくてよい人 ・停電時は早めに避難所へ移る想定
・カセットコンロ・乾電池ランタン・大容量モバイルバッテリーで代替手段を確保済み
・予算をまず水・食料・トイレに回すべき段階(優先順位はそちらが先です)

なお、在宅医療機器(人工呼吸器など)を使っている場合は、ポータブル電源だけに頼らないでください。必ず主治医・機器メーカーと停電時の対応を確認しましょう。

必要容量はどう計算しますか?

次の式で計算します。

必要容量(Wh)= 機器の消費電力(W)× 1日の使用時間(h)× 備える日数 ÷ 0.8

0.8で割るのは、電圧変換のロスなどで実際に使える量が表示容量より少なくなるためです。8割はあくまで目安で、機種や使う機器によって変わります。機器別の消費電力の目安は次のとおりです。

機器消費電力の目安使用量の例
スマホ充電約10〜15Wh/回1人1日1回
LEDランタン3〜10W夜間4〜6時間
携帯ラジオ数W情報収集に随時
ノートPC30〜60W在宅勤務なら1日数時間
扇風機20〜40W夏場は夜間も含め長時間
電気毛布30〜60W冬場の就寝時
小型冷蔵庫1日あたり約300〜600Whコンプレッサーは間欠運転
炊飯器(3合)約150〜200Wh/回1日1〜2回

計算例:4人家族・夏・3日間の在宅避難

  • スマホ4台×15Wh×3日 = 180Wh
  • LEDランタン2台(10W)×6時間×3日 = 360Wh
  • ラジオ・モバイル機器類 = 約60Wh
  • 扇風機(30W)×10時間×3日 = 900Wh

合計1,500Wh ÷ 0.8 = 約1,900Wh。夏の家族4人なら2,000Wh級が現実的です。逆に、扇風機を除いた「情報と照明だけ」なら合計600Wh ÷ 0.8 = 750Whで、500Wh級+節電1,000Wh級で収まります。

水・食料・トイレの必要量は別に計算が必要です。備蓄量計算ツール(無料)で家族の人数から確認できます。

容量は何Whを選べばよいですか?

容量帯向いている人できることの目安
200〜500Wh1〜2人・情報確保優先スマホ充電20回前後、照明・ラジオ数日分
500〜1,000Wh2〜3人上記+扇風機や小型家電を数時間〜
1,000〜2,048Wh3人以上・在宅避難重視上記+冷蔵庫や調理家電の併用、2〜3日運用
拡張バッテリー・ソーラー併用停電の長期化に備えたい人日中に発電して夜使うサイクル運用

ソナエくん「大は小を兼ねるなら、最初から一番大きいのを買えばいいのでは?」

備え先生「2,000Wh級は20kg前後あって、置き場所も価格も負担が大きい。持ち出しも考えるなら、計算した必要量に近い容量を選び、足りない分はソーラーや拡張で補う方が現実的だよ。」

選び方で確認する7項目

  1. 電池の種類:防災用途なら**リン酸鉄リチウム(LFP/LiFePO4)**が第一候補。充放電を繰り返せる回数が多く、熱に強いため、長く保管する防災用に向きます。
  2. 定格出力(W):使いたい家電の消費電力が定格出力を超えると動きません。「瞬間最大出力」ではなく定格出力で確認します。電子レンジやドライヤーは1,000W超が必要です。
  3. 容量(Wh)と拡張性:計算した必要量に対して、拡張バッテリーで後から増やせるかも確認します。
  4. ソーラー充電対応:停電が3日を超える場合、コンセント充電はできません。対応ソーラーパネルの入力W数が大きいほど、日中の回復が速くなります。
  5. 充電速度とパススルー:普段はコンセントにつないだまま使い、停電時にそのまま給電が続く機種(パススルー・UPS的な機能)は、冷蔵庫や通信機器のバックアップに便利です。
  6. 安全性:日本向けに売られている製品でも、PSEマークの表示と、過充電・過放電の保護(BMS)の記載を確認します。
  7. 保証年数とサポート:防災用は使う回数が少ないぶん、長い保証の価値が大きくなります。今回比べた6ブランドでは1〜5年の差がありました。

主要6ブランドの比較(2026年7月28日時点・公式ストア)

編集部が各社の日本公式ストアで仕様・価格・保証を確認しました。セール価格は変わるため、通常価格も併記しています。「日本製にこだわりたい」という方は、先に国内ブランド4社の実態調査をご覧ください。**以下のリンクにはアフィリエイト広告を含みます。**掲載順は容量比較のしやすさによるもので、報酬額とは無関係です。

ブランド代表機種(容量/定格出力)公式ストア価格(確認時点)電池保証向く使い方
Jackery500 New(512Wh/500W)
1000 New V3(1,024Wh/1,500W)
59,800円
72,468円(通常109,800円)
リン酸鉄5年(3年+2年)初めての1台・持ち運び重視
EcoFlowRIVER 3 Max(572Wh/600W)
DELTA 3 Classic(1,024Wh/1,500W)
39,729円(通常69,700円)
56,990円(通常109,700円)
リン酸鉄5年急速充電・普段使い併用
BLUETTIAORA 30 V2(288Wh/600W)
AORA 100 V2(1,024Wh/1,800W)
25,870円(通常39,800円)
62,910円(通常139,800円)
リン酸鉄5年入門〜高出力家電まで幅広く
EENOURP200(200Wh/200W)
P2001PLUS(2,048Wh/2,000W)
15,980円(通常19,800円)
99,900円(通常112,380円)
機種により異なる1年予算優先・サブ機
Dabbsson600L(768Wh/600W)
2000L(2,048Wh/2,200W)
46,800円(通常89,800円)
89,000円(通常169,800円)
半固体電池5年(3年+2年)大容量を費用を抑えて
LiTime12V 50Ah(640Wh)
12V 100Ah(1,280Wh)※単体バッテリー
23,899円(通常37,998円)
37,999円(通常60,798円)
リン酸鉄5年車中泊・DIY運用

※価格はすべて税込。LiTimeはポータブル電源ではなく単体バッテリーのため、コンセント機器を使うにはインバーターが別途必要です。

Jackery(ジャクリ)

2012年に米国で創業し、2019年から日本展開しているブランドです。現行のNewシリーズはリン酸鉄リチウムを採用し、公式ストア購入で5年保証(3年+2年自動延長)が付きます。512Whの「500 New」は5.7kgと同容量帯で持ち運びやすく、初めての1台として計算した容量に合わせやすいラインアップです。

公式サイトで価格を見る

EcoFlow(エコフロー)

急速充電とアプリ管理が特徴のブランドで、日本法人が公式ストアを運営しています。1,024Whの「DELTA 3 Classic」は確認時点でセール中でした。停電時を想定したときの充電の速さは、日常のローテーション運用(使って・充電して・保管する)でも利点になります。保証は5年です。

公式サイトで価格を見る

BLUETTI(ブルーティ)

小型から大容量まで、リン酸鉄リチウム機を幅広く展開しています。288Whの「AORA 30 V2」は4.3kgと軽く、「まず情報確保だけ」の入門用途に合います。1,024Whの「AORA 100 V2」は定格1,800Wと同容量帯では出力に余裕があり、消費電力の大きい機器を使いたい場合の候補です。保証は5年です。

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EENOUR(イーノウ)

発電機など屋外電源製品も展開するブランドです。200Whの「P200」は1.8kg・確認時点15,980円と、今回比べた中ではいちばん手に取りやすい入門機でした。2,048Whの「P2001PLUS」はリン酸鉄採用で、ソーラー入力最大500Wに対応します。保証は1年と他社より短いため、価格とのバランスで判断してください。

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Dabbsson(ダブソン)

半固体電池モデルを中心に展開するブランドです。2,048Whの「2000L」が確認時点89,000円(通常169,800円)と、大容量帯の価格が特徴的でした。公式ストア購入で5年保証(3年+2年)が自動で付きます。大容量を優先しつつ費用を抑えたい場合の比較候補です。

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LiTime(リタイム)※ポータブル電源ではなく単体バッテリー

リン酸鉄リチウムの単体バッテリーに特化したブランドです。ポータブル電源のような一体型ではないため、コンセント機器を使うにはインバーターの追加とDIYの知識が必要です。車中泊やキャンピングカーのサブバッテリー運用に慣れている人が、Wh単価を抑えて大容量を組みたい場合の選択肢です。保証は5年です。

公式サイトで価格を見る

よくある質問

ポータブル電源の寿命はどれくらいですか?

電池の種類で大きく変わります。リン酸鉄リチウムは、サイクル寿命3,000回以上をうたう機種が多く、防災用のように使う回数が少ない用途であれば、長く使えることが期待できます(実際の寿命は保管状態・温度・使い方に左右されます)。ただし放置は劣化と自然放電の原因になるため、半年に1回は残量を確認し、60〜80%程度まで補充電しましょう。詳しくは寿命と保管もご覧ください。

普段は使わずに保管しておくべきですか?

「防災専用でしまい込む」より、キャンプ・車中泊・庭仕事などで普段から使って充電サイクルを回す方が、「いざというとき充電が空だった」「操作が分からない」という失敗を防げます。使ったら補充電して定位置に戻す運用がおすすめです。

ソーラーパネルは一緒に買うべきですか?

停電が3日を超える想定なら有効です。各社とも対応ソーラーパネルとのセット販売があります。パネルの発電量は天候に大きく左右されるため、「日中に情報・照明分を回復する」程度の期待で、容量に余裕を持たせましょう。パネルの現実的な発電量と各社の価格比較はソーラーパネルは必要?発電量の目安と選び方で詳しく書いています。

車のシガーソケットやカセットガス発電機では代用できませんか?

車中泊前提なら車載電源も有力です。ただし住宅密集地でのエンジンかけっぱなしや、屋内での発電機使用(一酸化炭素中毒の危険)はできません。屋内で安全に使える蓄電池という点が、ポータブル電源を防災用に選ぶ理由です。

電気の前に、水・食料・トイレの備えは足りていますか? 家族の人数と日数を入れるだけで、必要な備蓄量を計算できる無料ツールを用意しています。 備蓄量計算ツールを使う

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