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BCP担当者のためのAI研修ガイド — 助成金を使って費用を抑える方法【2026年版】

「BCPの改訂が2年止まっている」「安否確認訓練の準備だけで1週間つぶれる」。防災・BCP担当者の多くは、他業務と兼任のまま膨大な文書作成と訓練運営を抱えています。結論から言うと、この負担を減らす近道はBCP担当者自身がAIを使えるようになることであり、そのためのAI研修には人材開発支援助成金が使える可能性があります。本記事では、BCP担当者がAI研修を受けるべき理由、助成金の考え方、研修の選び方、稟議の通し方まで順に解説します。

なぜBCP担当者こそAI研修を受けるべきなのですか?

BCP業務は「文書作成」「訓練運営」「情報整理」の比重が大きく、生成AIと相性の良い業務が多いためです。

BCP担当者の主要業務をAI活用の観点で整理すると、次のようになります。

業務AIでできること期待できる変化
BCP文書の作成・改訂ひな形をもとにドラフト生成、既存文書の矛盾チェックゼロから書く時間を短縮
安否確認・避難訓練訓練シナリオや想定質問の生成、結果報告書の下書き準備工数の削減
リスク評価ハザード情報・過去災害情報の要約、リスク一覧の整理抜け漏れの点検がしやすくなる
経営報告訓練結果や改善点の報告資料ドラフト報告作成の時間短縮

ポイントは、AIが担当者の代わりに判断するのではなく、たたき台づくりと整理を肩代わりするという点です。最終判断は人が行うため、AIの出力を評価できるだけの基礎知識が担当者に必要になります。これが研修を受けるべき最大の理由です。

AI研修に使える助成金にはどんなものがありますか?

代表的なのは厚生労働省の「人材開発支援助成金」です。中でも「事業展開等リスキリング支援コース」は、DX化に伴い必要となる知識・技能の習得訓練を対象としており、AI研修が該当し得ます。

制度の考え方は次のとおりです。

  • 事業主が雇用する労働者に職務関連の訓練(OFF-JT)を計画的に受けさせた場合、訓練経費や訓練期間中の賃金の一部が助成される制度です。
  • 事業展開等リスキリング支援コースは、新規事業の立ち上げやDX・GX化に伴って必要となる訓練が対象とされています。防災部門のデジタル化・AI活用も、自社の事業展開・DXの文脈で整理できるかがポイントです。
  • 2026年時点の制度概要では、経費助成は中小企業のほうが大企業より助成率が高く設定されており、訓練時間に応じた賃金助成もあります。最低訓練時間などの要件も定められています。

一般的な手続きの流れは以下です。

  1. 訓練内容・対象者を決め、訓練実施計画届を訓練開始前に労働局へ提出する
  2. 計画に沿って訓練を実施する
  3. 訓練終了後、期限内に支給申請を行う

特に重要なのは、訓練開始前に計画届を出す必要があるという点です。研修を申し込んでから助成金を調べるのでは間に合わないことがあります。

なお、本記事の助成金に関する記載は制度の概要であり、最新の支給要件・助成率・上限額・対象訓練の詳細は、必ず厚生労働省の公式サイトおよび管轄労働局でご確認ください。年度によって内容が見直されることがあります。

研修はどんな観点で選べばよいですか?

「助成金の要件に合うか」と「BCP業務に直結するか」の2軸で選ぶのが基本です。

具体的なチェック観点を挙げます。

  • 助成金の対象訓練になり得るか(訓練時間数、OFF-JTであること、カリキュラムや経費の明細が提示されるか)
  • BCP・防災の実務に引き付けた演習があるか(汎用的なAI概論だけで終わらないか)
  • ハンズオンの比率(実際に手を動かす時間が十分か)
  • 情報セキュリティ・個人情報の取り扱い教育が含まれるか(安否情報は個人情報です)
  • 研修後のフォロー(質問対応、テンプレート提供など)があるか

研修事業者に問い合わせる際は、「人材開発支援助成金の活用実績はあるか」「計画届に必要な書類(カリキュラム、見積書など)を提供してもらえるか」を確認すると、手続きがスムーズになります。

社内稟議はどう通せばよいですか?

「実質負担額」と「削減できる工数」を数字で示すことが近道です。

稟議を通すための手順は次のとおりです。

  1. 現状の工数を見積もる(例:BCP改訂に年間何時間、訓練準備に何時間かかっているか)
  2. AIで短縮できそうな業務を特定する(文書ドラフト、シナリオ作成、報告書など)
  3. 研修費用と、助成金が支給された場合の実質負担額を併記する
  4. まず担当者1〜2名の受講から始める「スモールスタート」案として提案する

稟議書に入れるべき要素は以下です。

  • 目的(BCP実効性の向上と担当者の工数削減)
  • 費用と助成金活用の見込み(支給は要件充足が前提である旨も明記)
  • 受講後に何をするか(BCP改訂スケジュール、訓練計画への反映)
  • リスク(受講しない場合、属人化と更新停滞が続くこと)

「研修を受けること」自体ではなく、「受講後にBCPがどう良くなるか」を成果物ベースで書くと承認されやすくなります。

よくある質問

助成金はいつ申請すればよいですか?

訓練開始前に訓練実施計画届の提出が必要です。研修の受講を決めたら、申込前に管轄労働局または社会保険労務士に相談し、スケジュールを逆算してください。

オンライン研修やeラーニングも助成対象になりますか?

コースによってはeラーニングや通信制の訓練も対象になり得ます。ただし対象範囲や助成内容は形態によって異なるため、最新の要件を厚生労働省サイトで確認してください。

BCPと直接関係のない汎用的なAI研修でも対象になりますか?

助成金の対象になるかは、訓練が職務に関連し、コースの趣旨(事業展開やDX化など)に沿うかで判断されます。自社のDX方針の中に防災業務の効率化を位置づけて説明できるかが重要です。

中小企業と大企業で助成内容は違いますか?

2026年時点の制度概要では、中小企業のほうが経費助成率などで優遇される設計になっています。自社が中小企業事業主の定義に当てはまるかを含め、最新情報を厚生労働省サイトで確認してください。

担当者が個人で申し込んだ研修も対象になりますか?

人材開発支援助成金は事業主が実施主体となる制度です。個人が自費で受講する研修は対象外で、その場合は個人向けの教育訓練給付など別制度の検討になります。

執筆: 防災テックナビ編集部(運営: 株式会社丸の内インベストメントグループ)。本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の状況に応じた判断は各自治体・専門機関の情報をご確認ください。