避難の心得津波編

津波編

津波は海水が塊となって複数回押し寄せる

津波は、主に地震発生に伴う海底の隆起・沈降などにより、その周辺の海水が上下に変動することによって起こる現象です。波浪は風によって海面付近の海水だけが動きますが、津波は海底から海面までの全ての海水が動きます。波浪の波長(波の山から次の山までの長さ)は数mから数百m程度ですが、津波は数㎞から数百㎞と非常に長く、海水が巨大な水の塊となって沿岸に押し寄せます。津波が引く場合も強い力で長時間にわたり引き続けるため、破壊した家屋などの漂流物を一気に海中に引き込みます。
津波は、水深が深いところほど波の進行速度は速く、水深が浅くなるほど波の進行速度が遅くなるという性質があるため、津波が陸地に近づくにつれ、後から来る波が前の波に追いつき、波が高くなります。津波は何回も押し寄せたり、複数の波が重なって著しく高い波となることもありますので、最初の波が一番大きいとは限らず、後で襲来する津波のほうが高くなることもあります。また、湾部の地形では津波が行き場を失い、湾奥で集中して津波の高さが局所的に高くなる場合があります。

避難の心得

津波から逃げる方法を事前に確認

いざというときに避難するためには、普段からの準備が必要です。津波による浸水被害が想定されている地域では、ハザードマップを作成している自治体もありますので、事前に浸水地域や複数の避難場所、避難経路を確認しましょう。地震の後は、建物の倒壊や火災で道路が通れない場合がありますので、複数の避難場所や避難経路を考えておくことが大切です。避難経路を考えた後、実際に避難経路を歩いてみて、備えておきましょう。ただし、ハザードマップなどで指定された避難場所であっても津波は予想を超えて襲ってくることがあります。状況に応じ各自の判断で率先して避難するようにしましょう。
津波の危険がある場所には、津波が襲来する危険があることを示す「津波注意」のほか、津波避難場所や津波避難ビルを示す津波標識が設置されています。はじめて訪れた観光地など地理に詳しくない土地でも、「津波避難場所」マークや「津波避難ビル」マークを目印にただちに避難してください。避難する場所は、避難所だけでなく、一時避難場所となる高台(建物はなくてもいい)へまずは逃げるということも重要です。万一に備え、海の近くにいるときには必ず確認しておきましょう。

避難の心得

地震があったら津波を考える

2011年3月11日の東日本大震災(東北地方太平洋沖地震)での大きな被害でも記憶に新しい津波。津波は地震によって引き起こされます。標高の低い場所にいるときは、多少海岸から離れていても「地震が起きたら津波」とすぐに津波の事を意識するようにしてください。津波は地面に沿って高いところまで上がってきます。東日本大震災では岩手県大船渡市の綾里湾で局所的に40.1mまでの遡上高が観測されています。2mの津波で標高2m以上の場所にいれば安全というわけではありません。津波の駆け上がる高さは津波の高さの2~4倍になることが過去の調査から分かっています。
気象庁は地震発生から約3分を目標に津波警報・注意報を発表します。地震によって停電してテレビなどから情報を得られないことや、震源が近くだと津波警報が間に合わずにすぐに津波が襲来する場合もあります。大きな揺れを感じたら津波警報などの情報を待つこと無く「地震=津波」と考え避難行動をすることが大切です。

避難の心得

地震で揺れていなくても津波は来る

自宅から離れた場所で地震が起きた場合、自宅は揺れていなくても、津波が襲来することがあります。東北地方太平洋沖地震では、揺れを観測していない鹿児島県種子島でも1.5mの津波が観測されています。また、海外で発生した地震でも津波は襲来します。1960年の南米チリで発生したM9.5の地震では、日本でも場所によっては6mの津波が襲来し、日本で119名の方が亡くなっています。
これらの津波の場合は、近い場所で起きた地震よりは津波の襲来までにある程度時間があります。テレビなどの報道のほか、メールサービスやアプリなどで地震・津波情報などの防災情報を受信できるサービスも多くありますので活用して、津波警報・注意報の発表を知ったら避難するようにしましょう。
「津波は引き潮から始まる」と思っている方もいるかもしれませんが、津波は押し波から来ることもあります。陸域では津波は早ければ時速40kmちかい速さで進みますので、津波を確認してから避難をしたのでは逃げ切れません。津波が来るかどうかを確認するために海岸に向かうことは絶対にやめましょう。

津波から身を守るためのポイント

1.地震の揺れがおさまったら「津波」を意識する
2.強い揺れや弱くても長い揺れの地震があったらすぐに避難
3.揺れを感じなくても普段から津波情報に注意

津波警報・注意報が発表されたらすぐに避難

津波の威力はとても強く、20~30cm程度の高さであっても、水が一気に押し寄せてくるため、健康な成人でさえ流されてしまうことがあります。大津波警報・津波警報が発表された場合は、市街地などへの浸水の危険性がありますので、一刻も早く高台など安全な場所へ避難しましょう。津波注意報が発表された場合でも海や川の河口から離れましょう。
予想される津波の高さは、1m、3m、5m、10m、10m超の5段階で発表されます。例えば、3~5mの津波が予想された場合は、「大津波警報」が発表され、「予想される津波の高さは5m」と発表されます。地震の規模(マグニチュード)が8を超えるような巨大地震が発生した場合は、最大の津波想定等をもとに津波警報・注意報が発表されます。この場合、最初に発表される大津波警報や津波警報では、予想される津波の高さが「巨大」や「高い」と表現され、非常事態であることを伝えます。津波の高さを「巨大」という言葉で大津波警報が発表された時は、東日本大震災のような巨大な津波が襲うおそれがあるため、ただちにできる限り高いところへ避難してください。
震源が陸地に近いと津波警報が津波の襲来に間に合わないことがあります。強い揺れや弱くても長い揺れがあった場合は、すぐに避難を開始しましょう。

避難の心得

とにかく早く高い場所に避難する

津波で避難するときは、「遠く」より「高い」場所に避難することを意識しましょう。自動車での避難は道路の渋滞に巻き込まれるおそれがあるため、原則、徒歩で避難しましょう。想定されている津波浸水の高さ以上に位置する「津波避難ビル」やできるだけ頑丈で高い建物に避難してください。木造の建物は、津波による浸水の高さが2m程度になると倒壊する可能性が高いです。避難所に指定されているところであっても、洪水や土砂災害を想定して指定されている場合もあり、津波からの避難には適さないこともあります。津波の浸水の危険性がないかをしっかり確認し、安全な避難場所を家族で決めておきましょう。
川は津波がさかのぼるのを遮るものがないため、市街地よりも内陸へ進みます。海からではなく、川から津波が襲ってくることもありますので、川から離れる方向に避難しましょう。津波は沿岸の地形などの影響で局所的に高くなる場合があります。予想される津波の高さだけで、ここなら安心と思わずにより高い場所を目指して避難しましょう。

避難の心得

避難したら絶対に戻らない

津波は1回だけではありません。津波の高さも第2波、第3波と高くなることもよくあります。高台へ避難した後に「津波が来なかった」「来た津波があまり高くなかった」などで安心して避難場所から自宅に戻ることは絶対にしないでください。津波は長い時間繰り返し襲ってきます。大津波警報や津波警報が発表されている時には、観測された津波の高さを見て、これが最大だと誤解しないように、最大波の津波の高さを数値で表わさずに、「観測中」と発表する場合があります。
東北地方太平洋沖地震のとき、函館では14:49に津波注意報が発表された後、16:15に第1波が観測され、第1波から7時間後の23:35に最大となる239cmの津波が襲来しています。津波警報・注意報が解除されるまでは、これから高い津波が来ると考えて、絶対に安全な避難場所を離れずに留まってください。

津波から避難するときの心得

1.海辺に居る時に地震で揺れたら、真っ先に避難を!
2.近くの高台や津波避難ビル、より高く頑丈な建物へ!
3.大きな河川の周辺にいるときは、川から離れて避難を!
4.避難したら津波警報注意報が解除されるまで絶対に戻らない!

【参考】津波予報

地震発生後、津波による災害が起こるおそれがない場合には、津波予報が発表されます。

避難の心得

※上記の心得は「トクする!防災」プロジェクトチームの見解に依ります。自治体から避難指示や避難勧告が出された場合は指示に従い速やかに避難しましょう。

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